『テロル』:なんだこの気持ち悪さは。でも最後まで読んじゃう
お勧め度:★★★☆☆(星3つ) 寸評: 非正規ガードマンの青年が元総理殺害テロを目撃し、犯人を研究し始める物語。社会、格差、ヘイト、陰謀論、SNS、闇バイトなどに対する主人公の思考をはじめ、登場人物たちの思考や行動がとにかく「キモい」と感じて胸が嫌悪感でいっぱいになります。それなのに最後まで読ませてしまう、月村了衛さんの描写力の凄さを実感する一冊です。 【中古】テロル(単行本) 価格:1,251円(税込、送料無料) (2026/11/1時点) 楽天で購入 1. 現代社会の闇を詰め込んだ歪んだリアル 街頭演説中のテロ事件をきっかけに、格差やSNSの過熱、陰謀論、闇バイトといった現代的な病理が主人公の一人称を通じて赤裸々に描かれています。社会や周囲への軽蔑に満ちた独白が物語全体に暗い陰を落としています。 2. 圧倒的な不快感とそれを凌駕するページターナーの力 主人公も周囲の人間も思考から行動まで一貫して不気味で気持ち悪いものの、その歪んだ心理描写と展開の妙によって途中で本を置くことができません。不快感を覚えつつも最後まで惹きつけられてしまう圧巻の筆力です。月村さん、すごいな。