『銀の夜』:圧倒的な没入感と、切なくもいじらしい大人の人間模様
お勧め度:★★★★☆(星4つ) 寸評: 高校時代の少女バンドで一瞬だけブレイクした3人が35歳を迎え、それぞれの人生を変えようと格闘する姿を描いた物語です。「話せそうで話せない、でも話したい」という大人になったからこそのもどかしい関係性や、3人の痛みが心に染みる、半端ない没入感が味わえます。あまりの面白さに「もっと読みたい、続きが読みたい、分量が不足している」と感じてしまうほど、強烈な余韻を残す一冊です。 銀の夜 (光文社文庫) [ 角田光代 ] 価格:836円(税込、送料無料) (2026/8/16時点) 楽天で購入 1. 35歳を迎えた3人の女性たちの現在地 イラストレーターとして働くがパッとせず、夫が浮気をしているちづる。幼い娘を芸能界デビューさせようとする麻由美。そして、有名な翻訳家の母に養ってもらっている伊都子。かつて少女バンドを組んだ3人が、それぞれの境遇の中で人生の転機に挑みます。 2. 心に沁みる大人の関係ともどかしさ 大人になったからこそ生まれる、微妙な距離感や「話したいのに話せない」もどかしさが非常にリアルに描かれており、心に深く沁みます。懸命に人生を変えようとする彼女たちの姿がいじらしく、もっとその先を見届けたくなる魅力に満ちた作品です。