水野竜一シリーズ第三段。
新たな登場人物は、過去を持つ日本人二人。それぞれの思いから、
水野竜一と死闘を繰り広げる。
このシリーズでも、面白い方だと思います。
山岳のゲリラ戦、少人数対少人数での戦い、少人数対大軍勢との闘い、
そして、一対一のナイフでの戦い。その行方や、戦いの描写に圧倒されます。
そして、少しばかりの感傷が、ハードボイルド。
今読んでも十分面白かったです。きっと、また読むんだろうなぁ。
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お勧め度:★★★★人生で何かを失ったとき、くり返し、くり返し、読み返す本
「冬は海からやってくる。」
「ブラディ・ドール」シリーズの第一弾、ハードボイルドの記念碑的な作品だと思います。
主人公は、やり切れない過去を持つ実業家。
弟の事件から、戦いの中に巻き込まれていく。
物語全体に漂う「喪失感」。
生きていくということは、何かを失うことだ。
というように、 大切な人々、想いなどを失っていく、主人公や登場人物たち。
血、暴力、やり切れない想い、そして、その文体から紡ぎだされる喪失の物語。
人生で何かを失ったときに、くり返し、くり返し読んできた本。
たぶん、これからも、くり返し、くり返し読む本だと思います。