お勧め度:★★★★★ 月村了衛はずれなし。欲望、権力闘争・・人や社会の暗部を書かせたら、並ぶものなし
貧しいお寺で育った主人公が、京都で伝統仏教最大派閥の宗務として、
自分の理想とする宗教を、宗教団体を実現するために、のし上がっていくが。
不正、陰での暴力も辞さない権力争い、 バブル期の京都での地上げ、
京都での暴力団や、京都の影のフィクサーと呼ばれる人達との
共闘や、戦い。そして、彼が最後に見る光景は・・・。
すごい迫力と筆力の本だった。ストーリー展開、内容、登場人物たち、
圧倒的なスピード感で、な臨場感で迫ってきます。
自分がこの世界に巻き込まれているようだ、
そして、本の世界から抜けられなくなります。
読んだ後、魂が抜かれたようになった。それぐらい面白い。
主人公たちの運命、人の欲望、宗教とは、救いとは・・
いろいろなものが、 読んでいる者に問いかけられます。
それも、かなり強い力で。
新年最初の本が、この本で良かった。やはり、月村了衛はずれなしだ。