「もし、太陽の下を歩けない世界になったら?」 そんなパンデミック後の特異な世界を描きながら、中身は超一級のハードボイルド。今回ご紹介するのは、大沢在昌氏の**『夜刑事(よるでか)』**です。
設定こそ特殊ですが、読み味は「これぞ大沢作品」という安定感。大ファンの方も、初めての方も、ページをめくる手が止まらなくなるはずです。
■ 書籍情報
書名: 夜刑事
著者: 大沢 在昌
■ お勧め度★★★☆☆(星3つ) 「ハズレなし」の職人芸。特殊な世界観と、王道の探偵要素が絶妙に融合した一冊。 1. 大沢在昌・得意の「人探し」に引き込まれる本作の舞台は、紫外線に当たると死に至る感染症が発生し、人々が「昼」と「夜」に分断された世界。主人公は、その夜の街で活動する「夜刑事」です。 大沢作品の真骨頂といえば、何といっても**「人探しの物語」**。 人々のつながりから、足で情報を稼ぎ、少しずつ真相に近づいていくプロセスは、どれほど世界設定が変わっても健在です。400ページを超えるボリュームですが、複雑に絡み合う謎が解けていく快感に、一気に読み進めてしまいます。 2. 謎の美女、強烈な個性……魅力的なキャラクター陣ハードボイルドに欠かせないのが、主人公を取り巻く魅力的な登場人物たち。
こうした「キャラクターの立ち方」が、さすがは大御所の筆致。登場人物に感情移入できるからこそ、物語の世界にどっぷりと浸れます。 3. 「感染後の世界」という、妙にリアルなリアリティ本作のもう一つの読みどころは、感染症によって一変した社会の描写です。
この**「少し歪んだ日常」**の描写が妙にリアルに響きます。そんな過酷な世界でも、必死に生きる人々の生活感には、どこか現代に通じるものを感じました。 ■ まとめ:さすがの読みやすさと安定感400ページ超という厚さを全く感じさせないのは、大沢さんならではの「読ませる力」があるからこそ。 じっくりとこの「夜の世界」に浸ってみるのをお勧めします。 やはり、大沢在昌にハズレなし。そう再確認させてくれる一冊でした。 |
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