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2026年1月11日日曜日

【読書録】『単身リスク』を読んで:社会分析は鋭いが、個人の「解決策」には踏み込み不足か

来への不安が尽きない「人生100年時代」。特にこれからの単身生活にどのようなリスクがあるのか、その正体を知りたくて本書を手に取りました。

著者は社会学の第一線で活躍される方であり、データに基づいた日本の現状分析は非常に説得力があります。しかし、一人のサラリーマンとして「これからの指針」を求めて読むと、少し考えさせられる部分がありました。



■ 書籍情報

  • 書名: 単身リスク ―「100年人生」をどう生きるか

  • 著者: 山田 昌弘

 

■ お勧め度

★★☆☆☆(星2つ) 日本の社会構造を俯瞰するには良いが、個人の具体的なアクションプランを期待すると肩透かしを感じるかもしれません。

1. 「リスクの可視化」と統計データ

本書の読みどころは、膨大な統計資料や社会制度の変遷をもとに、現代の日本人が直面している「もしもの事態」を浮き彫りにしている点です。

「これから日本社会はどう変わるのか」「かつての常識がなぜ通用しないのか」といったマクロな視点での現状把握は非常に緻密です。社会全体の動きを冷静に、客観的に理解したいという目的であれば、これほど情報量の多い本は他にないでしょう。


2. 「現状分析」の先にある、解決策の希薄さ

ただ、読み進めるうちに「では、具体的にどうすればいいのか?」という疑問が膨らんでいきました。

本書は、社会制度の不備や将来のリスクをひたすら説明してくれるのですが、提示される対策は、どちらかといえば一般論の枠を出ない印象を受けます。 「もしもを常に考えよう」といった心構えや、国・自治体のレベルで論じられる政策論が中心であり、「明日から自分の生活をどう変えるべきか」という個人的な解決策については、やや踏み込みが薄いと感じてしまいました。


3. まとめ:現状を知るための「白書」として読む一冊

本書は、個人の不安に寄り添う「ハウツー本」ではなく、日本社会の課題を整理した「社会分析本」として捉えるのが正解かもしれません。

現状のリスクを正確に知ることは大切ですが、そこから一歩進んで「自分はどう生きるか」という具体的な勇気や知恵を求めていた私にとっては、少し物足りなさが残る読後感となりました。

知識として社会の構造を整理したい時には価値ある一冊ですが、**「実生活に直結するヒント」**を探している方は、他の実践的な本と併読するのが良いかもしれません。