■ 書籍情報
書名: 天海の秘宝
著者: 夢枕 獏
■ お勧め度
★★★☆☆(星3つ) 夢枕ファンならずとも引き込まれる幕開け。ただ、物語の「密度」が非常に高く、評価が分かれる一冊。
1. 気のいい浪人が巻き込まれる、江戸の闇
物語の主人公は、江戸の町で近所の子供たちに読み書きを教えて暮らす、気のいい浪人です。
その穏やかな日常を切り裂くように発生する、凶悪な押し込み強盗や謎の辻斬り事件。主人公がその謎を追い始めるうちに、徳川幕府の知恵袋・天海僧正が遺したとされる「秘宝」を巡る巨大な争いへと足を踏み入れていきます。夢枕獏氏、読み手を飽きさせません。
2. 圧巻のスケール、ゆえの「ごちゃごちゃ感」?
読みどころは非常に多い作品です。
謎の辻斬りと、その裏に潜む敵の正体
主人公自身の過去に隠された大きな秘密
幕末の歴史の裏側に絡む「天海の秘宝」の謎
ただ、正直な感想を言えば、**「少し要素を詰め込みすぎ」**な印象も受けました。登場人物もエピソードも非常に多く、物語の軸がどこにあるのかを追いかけるのが・・・です。
3. まとめ:結末の「種」をどう受け止めるか
物語の核心である「秘宝の正体(種)」についても、読後感に大きく影響するポイントでしょう。個人的には、そこまでの壮大な盛り上がりに対して、「その着地は、ちょっと……」と、好みが分かれる部分だと感じました。
もちろん、おもしろい力作であることは間違いありません。 夢枕獏さん特有の、血湧き肉躍る伝奇世界を堪能したい方にはお勧めです。ただ、もう少しシンプルに物語の芯を味わいたかったな、というのが率直な感想でした。
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